記事:中曽根元首相のメモなど、国会図書館に寄託

 中曽根康弘元首相(93)が在任時に記した直筆メモなどの膨大な資料が、保管されている中曽根康弘資料館(群馬県高崎市)から国立国会図書館に寄託されることになった。

 資料が整理された後、研究者らに公開される。同図書館憲政資料室では「中曽根氏は原子力基本法靖国問題など戦後政治の節目で中心になった。多くの研究者に利用されるだろう」と話している。

 同資料館などには、自民党の会合や首相の記者会見資料などにメモを書き込んだもののほか、書簡や音声、映像テープなども含めて約40万点が残されているという。15日には、資料の一部(段ボール110箱分)が同図書館に運ばれた。これから約1年かけて目録づくりや分類を進める。

 同資料館を管理する公益財団法人・青雲塾(高崎市)の殿地真己常務理事は「資料を通じ、当時の時代背景や生々しい現場の声などがうかがい知れるのではないか」と話す。

 国会図書館は、戦後の首相経験者として幣原喜重郎芦田均石橋湛山宮沢喜一の4氏の資料を保管しており、中曽根氏は5人目となる。
(2011年6月19日10時57分 読売新聞)