記事:外交文書、30年で自動公開=新規則に明記、陣容も強化−外務

外交文書、30年で自動公開=新規則に明記、陣容も強化−外務省

外務省は25日、作成から30年を経た外交文書は自動的に公開し、例外として開示しない場合は外相の了承を必要とする新たな規則をまとめた。日米の核持ち込み密約などをめぐって同省の外交記録の管理・公開の在り方に批判が集中したことを受け、公開の原則を徹底する。公開作業を迅速化するため、文書管理に携わる職員の陣容も強化する。岡田克也外相が同日の記者会見で発表した。
 新規則では、外交文書の非公開は(1)国の安全が害される(2)他国との信頼関係が損なわれる−場合などに限定。外部有識者を交え、外務副大臣をトップに新たに設置した「外交記録公開推進委員会」の審査で非公開が適当と判断され、外相が了承したケースを除き、原則としてすべての文書を公開する。
 外務省は、6月中旬に同委員会の初会合を開催し、既に30年を経過し、非開示のままの文書の扱いを協議。日米安全保障条約の締結や沖縄返還に関する外交文書の公開を決める見通しだ。 
 また、文書公開作業のスピードアップを図るため、現在は70人程度にとどまっている省内の陣容を強化。同省OBも活用して増員を図り、100人規模の態勢とする。さらに、外交記録審査室と情報公開室を今夏をめどに統合し、「外交記録・情報公開室」とする。
 外相は会見で「今までも『30年ルール』はあったが、官僚組織の保守性のなせる業で、なるべく出さない傾向があったことは事実」と指摘。「(新規則により)飛躍的に公開の範囲は広がる。この方針を維持し、後世の検証に堪え得る外交政策を実現していきたい」と述べた。同省では、日米の外交密約を検証した有識者委員会の報告書の指摘を受け、3月に外交記録公開・文書管理対策本部(本部長・外相)を設置し、新たな文書公開の仕組みを検討していた。時事ドットコム(2010/05/25-18:57)