記事:外交文書は原則公開に=第三者審査を検討−岡田外相

外交文書は原則公開に=第三者審査を検討−岡田外相

12月31日15時28分配信 時事通信
 

岡田克也外相は最長30年の保存期間が満了した外交文書の公開を進めるため、外務省事務当局に開示・非開示を判断する裁量が認められている現状を見直し、「原則公開」を厳守することで本格的な検討に入った。安全保障上の理由などで例外的に非開示とする範囲を最小限にするため、第三者機関による客観的な審査の導入など具体的な改善策を検討する。
 米国では25年が経過した文書は原則として公開されており、外相はこれに準じた厳格な運用を日本にも取り入れたい意向。外相の要請で日米密約問題を検証している有識者委員会(座長・北岡伸一東大教授)は1月中にまとめる報告書で、文書公開改革のたたき台となる提言を行う見通しだ。
 条約締結交渉などを記録した外交文書の保存期間は30年で、これを過ぎたものは、歴史的文書として外交史料館に移管されることになっている。しかし、現行の外務省規則では、事務当局の判断で文書の省内保存を延長することが可能。核兵器持ち込みをめぐる日米密約の関連文書の一部が、保存期間を大幅に超え、米側で密約を示す文書が開示された後も、省内で保存され続けていることが調査で確認された。
 外交史料館入りした文書でも、情報公開法の規定により、国の安全や他国との信頼関係、外交交渉に影響を及ぼす恐れのあるものは非開示とされている。どこまで非開示とするかは事務当局が決めており、有識者委員会からは「法律が拡大解釈され、支障のないものまで伏せられる傾向にある」との批判が出ている。