記事:核搭載艦の帰港、通知文書発見 有識者委報告と食い違い

共産党不破哲三前議長は30日、国会内で記者会見し、日米核持ち込み密約をめぐり、米政府が1960年の日米安保条約改定の交渉段階で、核搭載艦船の日本寄港は従来通りに行うと日本側に伝えたことを示す米公文書が見つかったと発表した。「交渉当時に米側解釈を日本側に明らかにした形跡はない」とした外務省の有識者委員会の報告と食い違う内容だ。

 文書は、58年10月にマッカーサー駐日米大使が駐フィリピン米大使にあてた電報。国際問題研究者の新原昭治氏が00年に入手、外務省の密約調査を受けて精査、発見した。電報によると、マッカーサー大使が同月4日に岸信介首相と藤山愛一郎外相に対し、「核搭載の米軍艦の日本領海と港湾への立ち入り問題は従来通り続けられ、(事前)協議方式の対象にならない」との本国の訓令に従って説明したという。

 会見で不破氏は「日本側文書に(記述の)形跡がないことで調べもせずに、(有識者委が)結論を出したのは問題だ」としている。(倉重奈苗)