記事:児玉氏・辻氏は使えず…米反共工作でCIA分析

児玉氏・辻氏は使えず…米反共工作でCIA分析

2月26日1時14分配信 読売新聞

【ニューヨーク=大塚隆一】米国の情報機関が東西冷戦初期、日本の戦犯容疑者や右翼を使って進めようとした反共工作や情報収集について、米中央情報局(CIA)が役に立たないケースが多かったと分析していたことがわかった。

 AP通信が24日、米国立公文書館で2005〜06年に解禁されたCIAの極秘文書をもとに伝えた。

 それによると、CIAなどの米国の情報機関は第2次世界大戦後、右翼の大物で後にロッキード事件の被告になった児玉誉士夫氏や戦犯容疑を免れた元陸軍参謀の辻政信氏らに接近した。

 しかし、CIAの文書は「彼らは自らの威信や利益のために情報をたびたび捏造(ねつぞう)した」「日本の戦後は、驚くべき数の、役立たずの情報提供者を生み出した」と指摘。工作資金を持ち逃げされたり、同じ情報が米国の複数の機関に売られたりした例もあったという。

「情報要員の価値ない」=児玉誉士夫氏を酷評−CIA文書

2月26日2時0分配信 時事通信

【ワシントン25日時事】米中央情報局(CIA)が第2次大戦後、右翼の大物といわれた児玉誉士夫氏(故人)について「情報要員としての価値は事実上無い」と判断していたことが、このほど解禁された米公文書で明らかになった。
 1953年9月10日付のCIA文書は児玉氏に関して「ギャング、うそつき、盗人であり、彼の目的は母国の行く末に関係なく、富や権力を得ることだ」と決め付け、「情報活動を行う能力はなく、利益を得ること以外に関心がない」と酷評している。CIAはこうした分析を基に、児玉氏との接触を控えたという。