記事:1963年解放軍が台湾の偵察機を撃墜

1963年:解放軍が台湾の偵察機を撃墜、 サーチナ・中国情報局

【中国】【今日は何の日?】1963年:解放軍が台湾の偵察機を撃墜

 1963年11月1日、華東地区上空を飛行していた台湾のU−2偵察機人民解放軍の空軍機に撃墜された。解放軍は59年以来、台湾の偵察機を7回にわたって撃墜していた。

 U−2は当時の冷戦を背景に米ロッキード社が開発し、米空軍とCIAに採用された高高度スパイ偵察機。初飛行は55年。当初は迎撃が不可能だったため、米国はソ連北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)、中国(大陸)などの偵察に使用していた。

 米国はU−2の存在そのものを極秘にした。しかし60年5月にソビエト領内で撃墜され、一命を取りとめたパイロットが米軍のスパイ行為を自供したため、国際的な問題となった。また、U−2は62年10月にソ連キューバでミサイル基地を建設していることを発見し、これがキューバ危機の発端になったことから、関心を集めていた。

 60年代になっても、U−2を撃墜することが可能なのは、迎撃戦闘機Su−9あるいはS75地対空ミサイルといったソ連の最新鋭の兵器だけだった。

 解放軍は62年にもU−2を撃墜しており、中国が連続してU−2を撃墜したことも注目された。中ソ関係は50年代末には険悪になっていたが、解放軍はソ連から供与された兵器を使ってU−2を撃墜したと考えられている。

 中国大陸に対してスパイ行為を行っていたU−2は、米国が台湾軍に供与したものだった。米国や台湾は事件について沈黙を保ったが、大陸側は台湾を操っているのは米国だと激しく非難した。(編集担当:梅本可奈子・如月隼人)


サーチナ・中国情報局) - 11月1日7時51分更新